
特定非営利活動法人わかくさもえぎ
理事長 和田 利明
去る令和6年末、当法人創立者の理事長松本倫子が永眠いたしました。ここにあらためて故人への生前のご厚情に感謝申し上げます。このたび、その後を引き継いで当法人の理事長を務めさせいただくことになりました和田利明でございます。前理事長の福祉への温かく深い志を活かしながら当法人の事業をすすめていきたいと考えています。
特定非営利活動法人わかくさもえぎは、事業として障害者総合支援法にある生活介護・居宅介護・重度訪問介護・移動支援・短期入所(ショートステイ)及び介護保険法の通所介護・訪問介護(共生型)、加えて親子訓練学習会等のパーソナルサポート事業を運営しています。
活動している施設および店舗は、近鉄九条駅前の「障害者生活支援センターわかくさもえぎ」、西大寺ならファミリー内の「福祉の店わかくさ」、トナリエ大和高田内の「福祉の店わかくさもえぎ」です。
私たちの施設・店舗を利用しておられる方々の年齢層は20代から70代に広がり、障がいの様子にも幅があります。施設通所の方法も徒歩、電車やバスの利用、職員による送迎などで、身の回りのことをほぼ自分でできる方から支援者の全面的な介護を必要とする方までおられます。
利用者の皆さんは自分のしたいこと、知りたいこと、試したいこと、行きたい所、話したい相手や話題、おしゃれ、買いたいものなど、各人各様の趣味や希望をもっておられます。私たちの法人は、障がいのある皆さんのニーズを受けとめ、日々の家庭生活や社会生活のなかで、各人各様の特性を活かしながら自己実現がなされるように支援したい、と考えて事業をすすめています。
近鉄九条駅前の施設では、<生活介護として>日々の日課では、好きなBGMを聞きながら、さをり織りやクラフト商品づくりとその販売、小物から大作までの各種創作活動、京都や奈良の生鮮品や物産の販売、下請け内職作業、リラクゼーション、買い物や散歩などの活動をしています。併せて希望者への給食の提供や入浴サービスの提供をしています。
これら日常的な活動に加え、行事として調理実習、水彩画教室、フラワーアレンジメント教室、ヘルマンハープ教室の開催、季節行事や地域イベントへの参加なども行っています。並行して、<短期入所(ショートステイ)><居宅介護><重度訪問介護><移動支援>の各事業を実施しています。
奈良県旅券事務所・高田旅券センターに隣接するならファミリー店とトナリエ大和高田店では<生活介護として>収入印紙、奈良県収入証紙などの販売活動をしています。
わかくさもえぎを利用してくださっている人たちは、複数の福祉サービスを使い、複数の事業者からの介護を利用して、自分の生活を組み立てながら毎日を愉しんでおられるように見うけます。
もちろん課題もたくさんあります。利用者の高齢化(65歳以上は枠組みが高齢者福祉制度に替わる問題)、家族の高齢化(家庭での介護力が減衰する問題)、慢性的な介護スタッフ不足など。私たちは、法人スタッフ全員が力を合わせ、利用者の皆さんやご家族の皆さん、また関わりをおもちくださる方々のご理解とご協力をいただきながら、これらの難題に立ち向かっていきたいと考えています。